3月3日 T-1の最近のブログ記事

2006/3/3 T-1 Last Flight /RJNH

=はじめに=

ラストフライトのページを作ろうと計画していた私に、
「T-1のラストフライトは離陸した小牧のレポ、そして着陸した浜松のレポがあって完成ですよね?」
と、相互リンクさせていただいている「Primary Wings」の管理人さんのらぶこすた~さんからお話がありました。
そして、浜松でその日撮影されていたご自分のお写真と、レポを提供して下さったんです。

また、らぶこすた~さんのご友人のLivinng Aviatorさんにもお話をしていただき、
Livinng Aviatorさんからもお写真を提供していただくことが出来ました。

お二人がご協力して下さったおかげで、
こうしてこの場で2006/3/3T-1Bラストフライトを完全なレポとしてお届けすることが出来ます。

お二人のご厚意に心より深謝いたします。
本当にありがとうございます。 
            
                                    「ZUBOTTY WORLD」管理人 ZUBOTTY 

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3/3浜松基地

当日は朝早くから基地に展開しました。
浜松の方に脚立とポイントを確保してもらっていたものの、T-1の時間が読めない上に情報が錯綜して不安になっていたからです。
しかし、ポイントに着くと既に皆さん臨戦態勢で待機中。結局、私の到着が一番最後となりました。

ベースに選んだのは、通称水神の森、と呼ばれるポイント。とはいっても、私がここを使うのは初めてです。
このポイントはAWACSの配備に伴いフェンスに目隠しがされたため、視界は零なのですが、
貸していただいた脚立に立つと、南・北両基地とも見渡せ視界は意外に広がりました。
撮りにくい浜松基地、という認識を見直すほどです。
これで、T-1を迎える準備は出来ました。

そのとき、知り合いが「いいモノが来るってよ」と教えてくださいました。
私が、いいモノ?一体何??なんて顔をしていると、「EC-1!」とひとこと。
・・・って、カモノハシですかー???まだ撮ったことないですよ!!
急いで脚立に登り,人生初のEC-1をゲット。怪しく光る黒いレドームに尾翼はノーマーク、怪しさ満点だけど素敵だ(笑)
聞くところによると、浜松へのEC-1飛来はそれほど珍しくないんだとか。年に数回、定期的に来るそうです。

 さて、この飛来によってEC-1に感化された私のツレは放っておいて、今日のメインはT-1のラストでした。
小牧離陸時間は9時か9時半か。それとも、当初の予定通り午前にラストのデモフライト、午後に浜松フェリーか。

 そのとき、ZUBOTTYさんよりT-1Bラストタキシーの報が入りました。
浜松外柵組にも、なんともいえぬ緊張感が漂い始めます。時刻は9:25.
今から考えるとこの時点では飛来の確証はなかった訳ですが、私も含めて、外柵の皆さんは天性のカンで戦闘モードに移行したのでした(笑

そして、エアバンドに耳を傾ける私達に、コールサインが流れてきました。いよいよ、空自最後のT-1Bが浜松の空に姿を現したのです。

最後の着陸をするために。

そして、退役するために。

悲しいことに、スクラップになるために、かもしれません。


誰からともなく、「見えたッ」との声が上がりました。
T-1Bの編隊はSP機を先頭に2機を両翼に従え、浜松のノースダウンウインドに姿を見せました。
時に、9:50分のことです。
編隊はゆっくりと翼を翻し、南基地上空に進入してきました。
しかし、この場所では木に掛かって編隊が直前まで視認できません。
木陰から突然あらわれた編隊、ギャラリーのうめきにとも嗚咽ともつかぬ声をモードラの連写音が覆います。

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頭上を通り過ぎた編隊は南基地上空で編隊を解きました。
まず、一番機であるSPがピッチアップしてレフトブレイク。
そして、左翼機、右翼機と続きます。






本日を境に閉じていくT-1の歴史。
その花道を飾ろうと、最後に残った三機のT-1は記念塗装に身を包んでいました。

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↑ Photo By Living Aviator
一番機の尾翼は、第五術科学校の飛行訓練を支援した第一術科学校のエンブレムが掲げられています。
第一術科学校は整備の学校であるため、その所属機はフライトすることがありません。
このエンブレムをつけたT-1がフライトするのは今回が最初で最後となりました。

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↑ 青い空から、空自を半世紀にわたって支えた赤い練習機が静かに舞い降ります。
そう、彼らはこの瞬間を最後として、二度と大空を舞う事はないのです。
住み慣れた空に別れを告げ、乾いた台地に足をつけた#863はしかし、名残を惜しむかのように機首を浮かせたまま滑走していきました


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←2番機の#853もその役目を静かに終えようとしています。
胴体には"さようなら T-1B"の文字。
「戦後初のジェット練習機」日本の航空技術を復興させ、多くのパイロットを育て、
そして晩年には要撃管制官の養成に従事した愛らしい機体とも今日でお別れなのです。




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最後の#860には"初鷹魂""T-1 forever"の文字。
愛称"初鷹" その精神が永遠に受け継がれていく事を切に希望します。






全てを見送ったギャラリーに、大きな溜息が漏れました。

ラストフライトの感想を語り合う声もすぐに止み、あとはみな無言のまま。
帰り支度を始める人も散見されます。
誰からともなく漏れた「全て終わったね」の言葉が全てを表していました。


写真:らぶこすた~さん Living Aviatorさん/文:らぶこすた~さん




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